1年で一番電気代の高い季節がやってきました。
そしてつい先日、日本全国で電力需給がひっ迫しているとのニュースがありました。
今年は寒い冬な気がしますね。
その上コロナもあって自宅にこもり、仕事も在宅勤務。
そんな背景もあるのでしょう。
ということは・・・電気代、去年よりも上がるのでは?
みなさんは、どこの電力会社と契約されていますか?
『電気って公共のものだから、どこに住んでいようが、みんな電気代はおなじもの。』
その思考、危険です!!
電気代、私と一緒に見直してみませんか?

電力自由化・新電力とは
2016年4月に「技術の発達」と「電力需要の増加」により可能になった電力自由化。
2021年4月で丸5年になります。
いわゆる電力の民営化です。
(民営化って聞いたら郵便局を思い出すのは私の世代だけでしょうか?)
それまでは東京電力、関西電力etc…といった自分が住んでいる地域の「大手電力会社」が独占していましたが
さまざまな業種の企業が、地域の枠を超えて電力の販売に参入できるようになったんです。
電力の自由化以降に参入した電気を販売する企業のことを”新電力”と呼びますが、
実態がよく分からず、「大手電力会社」のままの方も多いのでは。
『昔からある大手電力会社と比べて新しいからなんとなく不安。』
このなんとなくって何なんでしょうか?
知らない=不安。
これを解消しましょう!
電気が供給される仕組み

すべての電気は「送配電網(電力ネットワーク)」を入り混じって流れるようになっています。
ですから、品質が違うことはまずありませんし、修理や故障対応も送電会社(というのがあるんです!)が担当しているので、速さが違うということもありません。
この「送配電網」は先ほど述べた地域の「大手電力会社(一般送配電事業者と呼びます)」が所有しており、新電力会社は手数料を払って「送配電網」を利用しているのです。
(正確には、大手電力会社にあった「送配電部門」を2020年4月から別会社として「一般送配電事業者」となっています)
新電力会社が新たに自前で電線や電柱を設置することは現実的ではないからですね。
キャリア回線を借りている格安スマホと似ている構図です!
「一般送配電事業者」には最終保障供給が義務付けられているので、万が一、新電力会社が倒産したとしても、それにより電気の供給が停止することはありません。
切り替え手続きも簡単です。
- 現在契約している電力会社名、お客様番号
- 供給地点特定番号、事業者コード(大手電力会社の検針票に記載がある)
- 電力会社切り替え希望日
以上を切り替え先の電力会社に伝えるだけです。
ケータイ乗り換えより簡単!
契約の切り替え日に電気が止まるということはありませんし
いつ切り替えが行われたかお知らせがくるだけで、解約の手続きも必要ありません!
※アナログ式の古い電力メーターの場合、新しいタイプのスマートメーターに切り替える必要がありますが、それも大手電力会社が担当となっており、作業代も無料ですし、立ち会う必要もありません。

なので、私たち消費者は単純に電気代で選んでも問題はない、と言っても過言ではないのです。
我が家の電気使用量で比較!
では、実際に私の場合でみてみましょう。
大人2人+3歳児1人
の家庭の場合です。
まだ小さな子どもがいる家庭はあるあるだと思うのですが、
- 扇風機は危なくて使いたくない。
- 網戸も曲がりやすく勝手にベランダに出られると怖いので閉めっぱなし。
- とにかく動き回るので、こたつ、電気カーペットも除外。
よって、空調はエアコンのみ。夏・冬は朝から夜までつけっぱなし。
空気清浄機・加湿器もつけっぱなし。
部屋干しは 【乾燥機+扇風機2台】 で行っている場合です。
我が家の月ごとの使用量をベースに、有名どころの電力会社の電気料金で比較した表がこちら👇
※各社HPのシミュレーションから計算しました。時間かかった・・・
高い→低い順です。
九州電力 2年契約割引あり (2年契約割引なし) | 楽天でんき (楽天カードで支払った 場合のポイント) | Looopでんき | エルピオでんき | |
1月 (428kWh) | 11,903円 | 10,058円 (100) | 10,015円 | 9,805円 |
2月 (343kWh) | 9,529円 | 8,060円 (80) | 8,026円 | 7,858円 |
3月 (292kWh) | 8,119円 | 6,862円 (68) | 6,832円 | 6,689円 |
4月 (276kWh) | 7,702円 | 6,486円 (64) | 6,458円 | 6,323円 |
5月 (260kWh) | 7,285円 | 6,110円 (61) | 6,084円 | 5,956円 |
6月 (268kWh) | 7,494円 | 6,298円 (62) | 6,271円 | 6,139円 |
7月 (377kWh) | 10,478円 | 8,859円 (88) | 8,821円 | 8,637円 |
8月 (456kWh) | 12,685円 | 10,716円 (107) | 10,670円 | 10,446円 |
9月 (372kWh) | 10,339円 | 8,742円 (87) | 8,704円 | 8,522円 |
10月 (205kWh) | 5,853円 | 4,817円 (48) | 4,797円 | 4,696円 |
11月 (198kWh) | 5,671円 | 4,653円 (46) | 4,633円 | 4,536円 |
12月 (266kWh) | 7,441円 | 6,251円 (62) | 6,224円 | 6,094円 |
年間使用量 3,741kWh | 103,722円 (104,499円) | 87,912円 (873) | 87,535円 | 85,701円 |
40A
燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まず(実際は約300~1,000円弱プラスで支払う)
口座振替割引有
平日・休日在宅で試算
- 《楽天でんき》初回は1,000ポイントがもらえる。
- 《エルピオでんき》最大36,000円割引のキャッシュバックキャンペーンを実施中。
- 《auでんき》(大手電力会社と)電気料金はほぼ変わらずに、年間約2,000~3,000円相当のPontaポイントがつく。
いわゆる田舎のLP(プロパンガス)地域の方には関係ない話ですが、 ”都市ガスとセットで安くなるプラン”を導入しているところが多いです。 例えば《関西電力》従量電灯A 年間 89,597円 ⇒ 関電ガスとセットの「なっトクでんき」なら 年間 86,221円。 新電力の電気代は、住んでいる地域の大手電力会社を選んだ上でシュミレーションする ⇒対抗心で値下げしている?? 上↑の表では九州電力ベースの料金ですが、 関西電力を選んだ場合の《エルピオでんき》は 年間 83,046円。

最適なアンペア(契約容量)は使用している電気製品の容量によります。
- ひとり暮らし30A
- 2~3人家族40A
- 4人家族50A
- 5人以上の家族60A
アンペアの設定が低すぎると頻繁にリミッター(ブレーカー)が落ちますし、
余裕がありすぎると使いすぎてしまうことになります。
各新電力のデメリット・注意点
- 解約金・違約金がかかる場合がある(auでんきは2年以内の解約の場合、2,000円かかる)
- アンペア数によって契約できないプランもある
- エリアによって料金設定が異なり、わかりづらいところもある
- 対象外の地域、管理会社が大口顧客向けの契約をしているマンション等の場合、個人の切り替えはできないこともある
- 支払方法がクレジットカードのみのところもある
- 引っ越して1か月は契約できないところもある(1か月は地域の大手電力会社と契約をし、切り替え手続きに必要な「お客様番号」「供給地点特定番号」の記載のある「検針票」を受け取ったのちの契約)
- 一般的に、電気の使用量が少ない場合は新電力を選ぶと高くなる
- オール電化の場合には、必ずしも新電力のほうがお得とは限らない。特に、東日本大震災以前の安いオール電化プランに加入している場合は、そのままのプランを維持するのがおすすめ。
- 大手電気会社と比べて「支払いを延滞した場合=契約解除」と少し厳しい。(そもそも優しすぎるのも問題な気が・・・)

また、今話題の!市場価格に応じて毎月電気料金が変動する「市場連動プラン」もあります。
株・投資信託みたいなものですね。
電力需給がひっ迫している今、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格の高騰により
「例年と比べて約10倍近い異常な高値」になっているんだとか。
「市場連動プラン」を導入している新電力会社は、
相談窓口の設置
救済措置(上限の設置、他のプランへの移行など)
の対応に追われているそうです。
ガス・水道の自由化は?
家庭で使われている代表的なガスは、2種類あります。
製造所で製造したガスを、ガス導管を通じて各家庭へ供給する「都市ガス」と
ボンベに入っている「LP(プロパン)ガス」
あとは「簡易(団地)ガス」もあるそうです!

そのうち、都市ガスの自由化は電気の1年後、2017年4月から始まっています。
都市ガスは土の中に埋まっている導管を通して各家庭に供給されていますが、
LPガスは車で配達されており、人件費などのコストがかかる背景があるようです。
また、LPガスは田舎という地域性もあってか寡占(独占支配)状態にあり、価格競争されてきていません。
これらの理由から、都市ガスよりもLPガスのほうが高いと言われていますが、
「電気の自由化」
「都市ガスの自由化」に引き続いて
『LPガスの自由化』に注目が集まっているところです。

一方、水道料金の格差問題はガスよりも深刻です。
なんと、同じ量を使っても8倍も差があるほどです。
水道料金は、地域ごとの地形と人口に関わるため、差が大きくでてしまうんです。
この問題を解決するには、都道府県や国単位で整備を進めることが大切と言えます。
大阪都構想で進めたかった一つの事案かも・・・?
- 水道管の老朽化(多くの水道管が、高度経済成長期に整備されています)
- 耐震化が遅れている
- 水道事業者の資金問題(3分の1が赤字状態)
これらも踏まえ、2018年12月には水道法の改正が行われており、
『水道の自由化』に対して様々な議論が交わされているところです。
まとめ
日本では資源も少なく、安定的な電力を供給するために
戦後から各地域の大手電力会社が独占的に管理してきました。
しかし、「市場価格の競争」「経営の合理化」を目的として
欧米を中心に『電力の自由化』が導入されてきたのを背景に
日本でも導入されました。
現在、電力自由化4年目にして電力会社を2回以上切り替えた経験のある世帯は約30%もあるそうです。
しかし、大手電力会社 ⇒ 新電力への電気代シミュレーションサイトはあっても
新電力 ⇒ 新電力への電気代比較サイトはまだまだ少ない状況。
豊かになった象徴として、電力の自由化が始まりましたが
まだ歴史は浅く、これからどう対応していくべきなのか、様々な企業が探っている状況なんです。
なので、本当にたくさんの電力会社とプランが混在しており、
自分でサービス内容を見極める必要性・手間が発生します。
私は九州の田舎(LPガス・プロパンガス)に住んでおり
電気代だけの比較をしたところ、エルピオでんきが一番安くてよさそうだ、という結果になりました。
しかしながら、転勤族のため都市ガス地域へ引っ越す可能性もあります。
そうなってくると電気+ガスのセットプランの比較が必要になってきます。
それに、新電力会社はなんと1254社も存在します。
私の価値観としては、ある程度契約数のある有名どころで検討したいという判断の元で計算しておりますので、
人によって、住む地域によって異なる。という結論に至ります。(断言できなくてなんか悔しいですが・・・)
また、先ほど書きました「我が家の電気使用量で比較した表」をみますと
新電力に切り替えることで、毎月最大で約1,500円、年間で約18,000円ほど電気代を削減(さらにプラスでポイントやキャッシュバックも!)できることが分かりました。
しかし、その程度の金額差なら・・・
少し高くても、『考えるのが面倒』という方は今のまま
大手電力会社にしておくのも悪くない選択と思えます。
時は金なり。時間ってお金より大切だったりします。

今回は、季節柄と昨今のニュースの流れから『電力の自由化』についてまとめてみました。
最後まで読んでくださった方は、なんとなーく雰囲気が掴めたんではないでしょうか?
そう、携帯会社も似た感じですよね。
大手キャリアの格安新プランも今世間を賑わせていますね。
ちょっと時間がかかりそうですが、勉強のうえ、頑張って書きたいと思っていますので、
期待してお待ちいただければと思います。(←自らハードルをあげることで自分を鼓舞しています・・・)
長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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